アドルフ・ヒトラーが地下で過ごした最期の12日間を、当時の個人秘書が綴った回顧録を元に描いた衝撃の問題作。ソ連軍の猛攻により日毎に悪化する戦況。そんな極限状態の中、地下要塞のヒトラーはある重大な“決断”を下すことに。

 

ヒトラーというのはとても人間として興味深い人である。

ユダヤ人虐殺など、彼の独裁者の面ばかりが歴史では強調されているが、 
この映画は ヒトラーを人として描いている ドキュメンタリー的な映画である。


秘書や女性に対しては非常に紳士的で優しい。 
そんな彼だからいくら逃げろ、と云っても最期まで秘書もついてきた。

指令を出すときは冷酷な独裁者だ。 
若者が死ぬのは使命だ、 街が攻撃で破壊されたら再建の時壊さなくていいから楽だ 。。。


しかし何よりも恐ろしいと感じるのは 彼に誓った!、という狂信的な側近たち。

不利な戦況にあり、ポストヒトラーを巡って画策する者もいる中、 
ヒトラーの云うことは絶対だ、とゲッペルス夫婦は最期まで従う。 
この夫婦の狂信ぶりが最も恐ろしかった。
「ナチのない世の中では子供は育てられない・・・・」 と自分の子供たちを・・・・。

そばにいなくとも街中の市民や子供たちまで総統の為に、と自ら武器を取る。 
彼の死後も誓ったから、と降伏せず自ら死を選ぶ部下。。


 この作品中、ヒトラーは地下総統本部から出ない。 
現状を見ず、紙の上で指揮を執る。
実際には存在しない紙の上の部隊を信じて、、、いや、存在しないとは気づいていながらも、、。

ヒトラーの理想を、描く国の姿を もはや誰も理解していない。 
でも誰も反対はできない。  
彼の頭の中でだけ、広大な理想が一人歩き。 
片腕と思っていたものにも裏切られ、指示を出せども軍力も人力もない。 
徐々に威厳がなくなっていき、心身衰弱していくのが哀れだ。。。
(ぁ、誰かと被る・・・w 独裁者ではないけれど・・)

 

ヒトラーが国民に選ばれたことには理由があるし、彼のカリスマ、惹かれるところに皆ついてきた。
すべてはヒトラーという「人間」のしたことであり、彼を選びすべてを託し信じたのも「人間」。

すべては権力と狂気、狂信によるもの。許されることではないが。。

 
しかし、敗戦国が戦争を描くと悲壮だ・・・。 
美化している、と反論もあるらしいが 私はそうも思わなかった。
ただ、何度でも何処ででも繰り返されるであろう「人間」の恐ろしさを感じた。